大きな地震や台風などで断水すると、自宅の水洗トイレが使えなくなることがあります。
水道が復旧しても、下水道が損傷していれば、すぐにトイレを流せるとは限りません。
災害への備えというと、飲料水や非常食を優先しがちですが、毎日の生活に欠かせないトイレの準備も重要です。
一般的な非常用トイレは、使用後に凝固剤で水分を固め、袋の口を結んで処理します。しかし、家族全員が何日も使用することを考えると、毎回の後片付けやニオイが気になるところです。
そこでおすすめなのが、電気の熱を利用して排泄物を専用フィルムで自動的に密封する「熱圧着式ポータブルトイレ」です。
使用後はボタン操作で専用フィルムを密封できるため、排泄物を直接扱ったり、バケツを洗浄したりする必要がありません。
さらに、防臭性能に優れた専用フィルムを採用した商品なら、災害時に気になるニオイ対策にも役立ちます。
今回は、災害時の備えとして検討したい熱圧着式ポータブルトイレを5商品厳選しました。
持ち運びやすさや収納性、防臭性能、電源方式などを比較しながら、それぞれの特徴を詳しく紹介します。
なお、熱圧着式ポータブルトイレは、使用済みの袋を密封する仕組みです。排泄物を直接処理する手間は減らせますが、密封した袋の保管や廃棄は必要になります。
災害時には熱圧着式ポータブルトイレがおすすめ
災害用トイレには、便器に袋を取り付けて使用する携帯トイレや、組み立て式の簡易トイレなどがあります。
一般的な非常用トイレでも断水時に使用できますが、使用後には凝固剤を入れたり、袋の口を結んだりする作業が必要です。
一方、熱圧着式ポータブルトイレは、専用フィルムと凝固剤を使用し、電気の熱でフィルムを自動的に密封します。
ボタン操作で使用済みの袋を密封できるため、排泄物を直接扱う機会を減らせることが大きな特徴です。
主なメリットは次のとおりです。
- 排泄物を直接処理する手間を減らせる
- 水を使わずに使用できる
- 使用済みの袋を密封し、ニオイを抑えやすい
- 汚水タンクやバケツの洗浄が不要
- 介護やアウトドアなど、災害時以外にも活用できる
特に断水が長引いた場合、トイレの洗浄に水を使わずに済むことは大きなメリットです。
また、大規模な災害ではゴミの回収が停止し、使用済みのトイレ袋をすぐに処分できなくなることも考えられます。
そのため、専用フィルムの防臭性能も商品選びの重要なポイントになります。
ただし、熱圧着式ポータブルトイレは、フィルムを密封するために電気が必要です。
災害時には断水だけでなく停電も考えられるため、ポータブルバッテリーなどの予備電源も一緒に準備しておく必要があります。
災害時におすすめの熱圧着式ポータブルトイレ5選
ここからは、災害時の備えとしておすすめの熱圧着式ポータブルトイレを紹介します。
コンパクトに収納できる商品から、暖房便座やひじ掛けを備えた据え置き型の商品まで、それぞれ特徴が異なります。
日本セイフティー ラップポン・サニー|軽量で折りたたみ収納ができる
災害用としてコンパクトな熱圧着式ポータブルトイレを探しているなら、まず検討したいのが日本セイフティーの「ラップポン・サニー」です。
本体重量は約7kgと比較的軽く、使用しないときには折りたたんで収納できます。
収納時の高さは約24.7cm。普段は押し入れや収納スペースに保管しておき、断水などで自宅のトイレが使えなくなった際に取り出して使用できます。
専用の収納バッグも付属しているため、必要な場所へ持ち運びやすい点も魅力です。
使い方も簡単です。
専用フィルムと凝固剤をセットし、使用後にボタンを押すと、電気の熱でフィルムが自動的に圧着されます。
密封された袋を取り出す仕組みなので、一般的なバケツ式ポータブルトイレのように、使用後の汚水を処理したり、バケツを洗浄したりする必要がありません。
災害時には飲料水だけでなく生活用水の確保も難しくなります。トイレの洗浄に水を使わずに済むことは、大きなメリットでしょう。
また、ラップポン・サニーは専用PEフィルムを使用しており、消耗品の費用を比較的抑えやすいことも特徴です。
災害用トイレは、家族の人数に合わせて十分な回数分を備蓄する必要があります。
使用するたびに専用フィルムや凝固剤を消費することを考えると、ランニングコストを抑えやすい点は魅力です。
一方、購入前に確認しておきたいのが防臭性能です。
標準のPEフィルムは高防臭タイプではないため、密封した袋を長時間保管すると、ニオイが漏れる可能性があります。
大規模な災害ではゴミの回収が停止することも考えられるため、使用済みの袋を保管するための密閉容器などを別途用意しておくとよいでしょう。
電源はAC100Vのほか、別売りの車用DCケーブルにも対応しています。
停電時でも、対応するポータブル電源や車の電源を確保できれば、自動熱圧着機能を使用できます。
また、購入時には60回分の専用フィルムと凝固剤が付属しています。
例えば、2人で1日5回ずつ使用する場合、60回分は6日分に相当します。
家族の人数が多い場合は不足するため、予備のフィルムや凝固剤も用意しておきたいところです。
主な仕様
- メーカー:日本セイフティー株式会社
- 型番:SNSE0002JH
- 使用時サイズ:幅36×奥行46.9×高さ42.1cm
- 収納時サイズ:幅36×奥行46.5×高さ24.7cm
- 本体重量:約7kg
- 消費電力:最大60W
- 密封方式:自動熱圧着式
- 電源:AC100V、別売りの車用DCケーブル
- 付属消耗品:60回分
普段はコンパクトに収納しておきたい方や、軽さとランニングコストを重視する方におすすめです。
日本セイフティー ラップポン・オーブ2|暖房便座付きで在宅避難にも便利
日本セイフティーの「ラップポン・オーブ2」は、座り心地や使いやすさを重視した自動熱圧着式ポータブルトイレです。
普通便座、やわらか便座、暖房便座のタイプがありますが、今回紹介するのは暖房便座付きの「02SESMW2JH」です。
ラップポン・オーブ2の特徴は、背もたれやひじ掛けを備えた安定感のある構造です。
一般的な簡易トイレはコンパクトな反面、座ったときに身体を支えにくいものもあります。
その点、オーブ2は背もたれとひじ掛けが付いているため、座った姿勢を安定させやすくなっています。
便座の高さも40cm、43cm、46cmの3段階で調整でき、使用する方の体格に合わせやすい設計です。
特に高齢の家族がいる家庭では、災害時でも座りやすく、立ち上がりやすいトイレを確保しておくことが大切です。
また、今回紹介するモデルには暖房便座が付いています。
冬場の災害では暖房が十分に使えず、室内が冷え込むこともあります。
そんなとき、便座の冷たさを軽減できる暖房便座は快適性の面でも魅力です。
ただし、暖房便座を使用するには電気が必要です。停電時には限られた電力をフィルムの熱圧着に優先して使用し、暖房便座は電源の状況に合わせて使うとよいでしょう。
使用後は専用フィルムと凝固剤を使い、リモコンの操作によってフィルムを自動的に密封します。
汚水をためるバケツを洗浄する必要がないため、断水が長引いた場合にも便利です。
本体には樹脂素材を採用しており、汚れた際にもお手入れしやすくなっています。
ただし、本体は幅約55cm、奥行約59.2cmと大きめで、重量も約17kgあります。
折りたたんで収納する商品ではないため、災害時に持ち出すというよりも、災害時に自宅に設置して、断水時にも使用する形が向いています。
専用フィルムや凝固剤は別売りです。災害への備えとして購入する場合は、必要な回数分の消耗品も一緒に用意しておくことが大切です。
主な仕様
- メーカー:日本セイフティー株式会社
- 型番:02SESMW2JH
- サイズ:幅55×奥行59.2×高さ93.3〜99.3cm
- 本体重量:約17kg
- 便座高さ:40・43・46cm
- ラップ動作時消費電力:75W
- 暖房便座定格消費電力:42W
- 密封方式:自動熱圧着式
- 電源:AC100V
- 主な機能:暖房便座、高さ調整、ひじ掛け
- 専用フィルム・凝固剤:別売り
自宅での避難生活を想定している方や、高齢の家族が使いやすいトイレを準備したい方におすすめです。
和み(なごみ)無水ラップ式トイレ|バッテリーと消耗品が付属した充実モデル
停電時の使用を考えて選びたいのが、「和み」の無水ラップ式トイレです。
Global Gardenが企画・販売する商品で、防災や介護、アウトドアなど、さまざまな用途を想定しています。
和みの特徴は、購入時から必要な付属品が充実していることです。
本体だけでなく、専用バッテリーや充電器、ACアダプター、専用フィルム、凝固剤などが付属しています。
特に専用バッテリーが標準で付属していることは、災害用として選ぶうえで大きな魅力です。
熱圧着式ポータブルトイレは、専用フィルムを密封する際に電気を使用します。
そのため、大きな地震や台風で停電すると、電源を確保できなければ自動熱圧着機能を使用できません。
和みなら専用バッテリーが付属しているため、あらかじめ充電しておけば、停電時にも自動熱圧着機能を利用できます。
ただし、バッテリーには使用可能回数の限界があります。
長期間の停電に備える場合は、1回の充電で何回使用できるのか、どのような方法で充電できるのかも確認しておきましょう。
本体サイズは幅約35.5cm、奥行約44.5cm、高さ約45.5cm。重量は約8kgと比較的軽量です。
必要に応じて寝室やリビングなどへ移動させやすく、限られたスペースでも使用しやすい大きさになっています。
使い方も難しくありません。
専用フィルムと凝固剤をセットして使用し、終わったらボタンを押すだけ。電気の熱によってフィルムが自動的に密封されます。
防臭に配慮したフィルムを採用しているため、使用済みの袋からニオイが広がるのを抑えやすい点も魅力です。
また、専用フィルムと凝固剤がそれぞれ50回分付属しています。
災害時には物流が混乱し、必要な消耗品をすぐに購入できなくなる可能性もあるため、最初から消耗品が付属していることは便利です。
例えば、2人で1日5回ずつ使用するなら、50回分は5日分に相当します。
ただし、4人家族では1週間に140回分が必要になるため、付属分だけでは足りません。
災害用として購入する場合は、家族の人数に合わせて追加の専用フィルムや凝固剤も備蓄しておきましょう。
なお、和みには背もたれやひじ掛けがありません。
高齢の方など、座るときや立ち上がるときに身体を支える必要がある場合は、ひじ掛け付きのモデルも比較しておきたいところです。
本体だけでなく、バッテリーや消耗品までまとめて準備できるため、初めて熱圧着式ポータブルトイレを購入する場合にも検討しやすい商品です。
主な仕様
- ブランド:和み(なごみ)
- 企画・販売:Global Garden
- 商品コード:NGM-1000Y
- サイズ:幅約35.5×奥行約44.5×高さ約45.5cm
- 本体重量:約8kg
- 消費電力:85W
- 密封方式:自動熱圧着式
- 電源:AC100V、付属バッテリー
- 付属品:バッテリー、充電器、ACアダプター、固定治具など
- 付属消耗品:専用フィルム・凝固剤各50回分
停電時の使用を重視する方や、必要な付属品をまとめてそろえたい方におすすめです。
アロン化成 安寿 FX-30 らくゾウくん 自動ラップ2|高齢者がいる家庭の災害対策にも
アロン化成の「FX-30 らくゾウくん 自動ラップ2」は、座り心地や立ち上がりやすさにも配慮したポータブルトイレです。
介護用品ブランド「安寿」の商品で、背もたれやひじ掛けを備えた安定感のある構造が特徴です。
今回紹介するのは、暖房便座付きの「533-484/533-485」です。
災害時には、普段使っている水洗トイレが使えなくなり、慣れない簡易トイレで生活しなければならないこともあります。
特に高齢の方や足腰が弱くなった方にとっては、簡易トイレの高さや座り心地が合わないと、使用する際に負担がかかることもあるでしょう。
その点、FX-30 らくゾウくんは便座の高さやひじ掛けの位置を調整できるため、使用する方の身体状況に合わせやすくなっています。
ひじ掛けは座った状態から立ち上がる際に身体を支えやすい構造で、移乗動作にも配慮されています。
便座の高さは38〜49cmまで調整可能です。
災害時は家族全員が同じトイレを使用することも考えられますが、特に高齢の方がいる家庭では、座りやすさや立ち上がりやすさも重視したいところです。
また、今回紹介する暖房便座タイプなら、冬場でも便座の冷たさを軽減できます。
ただし、暖房便座を使用する場合は電気を消費するため、停電時には電源の残量に注意する必要があります。
使用後の処理も自動化されています。
専用フィルムと凝固剤を使用し、リモコン操作によってフィルムを自動的に熱圧着して密封します。
一般的なバケツ式ポータブルトイレのように、使用後の汚水を処理したり、バケツを洗浄したりする必要がありません。
災害時の断水への備えと、使う人の座り心地を両立できることが魅力です。
さらに、本体はお手入れしやすい樹脂製で、キャスターも備えています。
一方、本体サイズは幅53cm、奥行60cm、重量約18kgと比較的大きめです。
そのため、災害時に持ち出して使用するというよりも、普段から自宅に設置し、断水時にもそのまま活用する使い方に向いています。
また、FX-30 自動ラップ2には、停電時や専用フィルムがなくなった場合に備えたバケツも付属しています。
ただし、バケツで使用する場合は、通常の熱圧着による処理とは異なり、使用後の洗浄などが必要です。
災害時にも自動ラップ機能を使用したい場合は、AC100Vの電源と専用消耗品を確保しておきましょう。
なお、同じFX-30シリーズには自動ラップ機能のない商品もあります。
購入する際は、商品名に「自動ラップ2」と記載されていることと、型番を確認することが大切です。
主な仕様
- メーカー:アロン化成株式会社
- ブランド:安寿
- 型番:533-484/533-485
- サイズ:幅53×奥行60×高さ79〜90cm
- 本体重量:約18kg
- 便座高さ:38〜49cm
- 最大使用者体重:100kg
- 密封方式:自動熱圧着式
- 電源:AC100V
- 主な機能:暖房便座、ひじ掛け調整、キャスター、自動ラップ
- 専用フィルム・凝固剤:別売り
高齢の家族がいる家庭や、在宅介護と災害対策を兼ねて使用したい方におすすめです。
日本セイフティー ラップポン・トレッカー WT-4|高防臭フィルムで災害時のニオイ対策にも
災害時のニオイ対策を重視したいなら、日本セイフティーの「ラップポン・トレッカー WT-4」もおすすめです。
トランク型の本体を採用した自動熱圧着式ポータブルトイレで、収納性と防臭性能を兼ね備えています。
最大の特徴は、防臭性能の高い専用BOSフィルムを採用していることです。
大規模な災害ではゴミの回収が停止し、使用済みのトイレ袋をすぐに処分できなくなる可能性があります。
そのため、自宅での避難生活が長引くと、使用済みの袋を一定期間保管しなければならないこともあるでしょう。
こうした状況では、専用フィルムの防臭性能が重要になります。
ラップポン・トレッカー WT-4は、使用後に専用フィルムを熱圧着して密封するだけでなく、BOSフィルム自体にも高い防臭性能があります。
使用済みの袋からニオイが広がるのを抑えやすく、災害時の衛生管理にも役立ちます。
ただし、防臭性能が高くても、使用済みの袋を長期間放置してよいわけではありません。
衛生面を考え、適切な場所で保管し、ゴミの回収が再開した際には自治体の指示に従って処分しましょう。
また、ラップポン・トレッカー WT-4は収納性にも優れています。
本体には丈夫なアルミニウム合金を採用しており、工具を使わずに組み立てられる構造です。
使用時の高さは約40cmですが、収納時には約27cmまでコンパクトになります。
普段は収納しておき、災害が発生した際に取り出して使用できることも魅力です。
本体重量は約12kgとラップポン・サニーより重いものの、丈夫な構造と防臭性能の高さは見逃せません。
電源については、AC100Vのほか、別売りの専用バッテリーや車用DCケーブルにも対応しています。
停電時でも、対応する車の電源や専用バッテリーなどを確保できれば、自動熱圧着機能を使用できます。
ただし、これらの電源用オプションは別途用意する必要があります。
また、専用フィルムや凝固剤も継続的に購入する必要があるため、災害用として備蓄する場合は、十分な回数分を準備しておきましょう。
同じ日本セイフティーのラップポン・サニーと比較すると、トレッカーは高防臭フィルムを使用する分、消耗品の費用が高めになります。
そのため、軽さやランニングコストを優先するならサニー、防臭性能や丈夫さを重視するならトレッカーという選び方ができます。
災害時に使用済みの袋をすぐに処分できない状況まで考えると、防臭性能の高さは大きな安心材料になるでしょう。
主な仕様
- メーカー:日本セイフティー株式会社
- 型番:WT4SE102JH
- 使用時サイズ:幅39×奥行46×高さ40cm
- 収納時サイズ:幅39×奥行46×高さ27cm
- 本体重量:約12kg
- 消費電力:最大75W
- 密封方式:自動熱圧着式
- 電源:AC100V、別売りの専用バッテリー・車用DCケーブル
- 専用フィルム:高防臭BOSフィルム
- 専用フィルム・凝固剤:別売り
災害時のニオイ対策を重視する方や、丈夫で収納しやすいポータブルトイレを備えておきたい方におすすめです。
おすすめポータブルトイレ一覧
今回紹介した熱圧着式ポータブルトイレ5商品の主な特徴を比較しました。
| 商品名 | 本体重量 | 電源の特徴 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| ラップポン・サニー | 約7kg | AC・車用DC対応 | 軽量・折りたたみ式 |
| ラップポン・オーブ2 | 約17kg | AC100V | 暖房便座・高さ調整 |
| 和み 無水ラップ式トイレ | 約8kg | バッテリー付属 | 防臭フィルム・消耗品付属 |
| FX-30 らくゾウくん 自動ラップ2 | 約18kg | AC100V | 暖房便座・介護機能 |
| ラップポン・トレッカー WT-4 | 約12kg | AC・車用DC対応 | 高防臭・トランク型 |
サニーとトレッカーの車用DCケーブルは別売りです。また、オーブ2とFX-30は暖房便座タイプを紹介しています。
災害用としてコンパクトに収納したいなら、ラップポン・サニーが候補になります。
一方、停電時の使用を考えてバッテリー付きのモデルを選びたいなら和み、使用済みの袋のニオイ対策を重視するならラップポン・トレッカー WT-4も検討しやすいでしょう。
また、自宅での避難生活や介護との兼用を考えている場合は、暖房便座やひじ掛けを備えたオーブ2やFX-30も選択肢になります。
いずれも自動熱圧着式ですが、電源方式や必要な消耗品は異なります。災害時にどのような環境で使用するのかを考えて選ぶことが大切です。
災害用の熱圧着式ポータブルトイレの選び方
災害用として熱圧着式ポータブルトイレを選ぶ場合は、本体の大きさや防臭性能だけでなく、停電時の電源確保まで考える必要があります。
また、災害が長引いた場合に備え、専用フィルムや凝固剤も十分に用意しておきたいところです。
停電に備えてポータブルバッテリーを準備する
災害用として熱圧着式ポータブルトイレを購入するなら、停電に備えてポータブルバッテリー(ポータブル電源)などの予備電源も準備しておく必要があります。
熱圧着式ポータブルトイレは、電気の熱を利用して専用フィルムを密封する仕組みです。
そのため、断水していても使用できる一方、停電によって電源が確保できなくなると、自動熱圧着機能を使用できません。
大きな地震や台風では、断水と停電が同時に発生することも考えられます。
トイレ本体だけを準備していても、電源がなければ本来の機能を活用できないため、注意が必要です。
特にAC100Vで動作するモデルでは、必要な出力を備えたポータブル電源などを用意しておきましょう。
ただし、商品によって対応する電源方式は異なります。
例えば、ラップポン・サニーやラップポン・トレッカー WT-4は、別売りの車用DCケーブルを使用することで、対応する車のDC12V電源から給電できます。
一方、ラップポン・オーブ2やFX-30 自動ラップ2はAC100Vの電源を必要とします。
車にアクセサリーソケットがあるからといって、すべての商品を直接接続できるわけではありません。
また、ポータブル電源を使用する際には、トイレの消費電力だけでなく、電源の定格出力や出力方式も確認する必要があります。
暖房便座付きのモデルでは、フィルムの熱圧着に加えて便座を温めるためにも電力を使用します。
停電が長引く場合は、暖房便座の使用を控えるなど、限られた電力を有効に使うことも大切です。
なお、車の電源を利用する場合は、車庫や換気の悪い場所でエンジンをかけないように注意しましょう。
また、ポータブルバッテリーの容量には限りがあるため、長期間の停電では電源が不足する可能性もあります。
そのため、電源が確保できない場合に備えて、電気を使わずに使用できる携帯トイレも準備しておくと安心です。
防臭性能の高い専用フィルムを選ぶ
災害時に気になるのが、使用済みのトイレ袋のニオイです。
大規模な災害ではゴミの回収が停止し、使用済みの袋を自宅で保管しなければならないこともあります。
熱圧着式ポータブルトイレは、使用後にフィルムを密封できるため、ニオイの広がりを抑えやすいのが特徴です。
ただし、使用するフィルムによって防臭性能は異なります。
例えば、ラップポン・サニーは比較的費用を抑えやすいPEフィルムを採用していますが、長時間保管するとニオイが漏れる場合があります。
一方、ラップポン・トレッカー WT-4は高防臭のBOSフィルムを採用しており、ニオイ対策を重視する方に向いています。
災害時に使用済みの袋をすぐに処分できない可能性を考えるなら、防臭性能も重要な判断材料になるでしょう。
ただし、高防臭フィルムでも永久にニオイを防げるわけではありません。
使用済みの袋は、密閉できる容器などに保管し、自治体の案内に従って適切に処分することが大切です。
家族の人数に合わせて専用フィルムと凝固剤を備蓄する
熱圧着式ポータブルトイレは、本体を購入すれば追加の準備なしで使い続けられるわけではありません。
使用するたびに専用フィルムや凝固剤を消費するため、家族の人数に合わせて十分な量を備蓄しておく必要があります。
災害用トイレは、1人1日5回程度の使用を目安に、できれば1週間分を準備しておくと安心です。
この目安で計算すると、必要な使用回数は次のようになります。
| 家族の人数 | 1週間分の必要回数 |
|---|---|
| 1人 | 35回 |
| 2人 | 70回 |
| 3人 | 105回 |
| 4人 | 140回 |
| 5人 | 175回 |
| 6人 | 210回 |
例えば、4人家族なら1週間で140回分の専用フィルムと凝固剤が必要になります。
ラップポン・サニーには60回分、和みには50回分の消耗品が付属していますが、家族全員で使用する場合には不足することもあります。
そのため、本体に付属する分だけでなく、予備のフィルムや凝固剤も備蓄しておきましょう。
また、商品によって使用できる専用フィルムが異なるため、必ず対応する消耗品を選ぶことが大切です。
災害が発生してから専用消耗品を購入するのは難しい場合もあるため、普段から余裕を持って準備しておくと安心です。
設置場所と収納性を確認する
災害用ポータブルトイレは、必要になったときにすぐ取り出せることも大切です。
普段は使用せず、防災用品として保管する場合には、折りたたんで収納できるモデルが便利でしょう。
例えば、ラップポン・サニーやラップポン・トレッカー WT-4は、使用しないときにコンパクトに収納できます。
一方、ラップポン・オーブ2やFX-30 自動ラップ2は、本体が大きく、主に自宅での据え置き使用に向いています。
また、災害時には家族全員が使用する可能性があるため、設置場所の広さやプライバシーにも配慮したいところです。
特に高齢の方や足腰が弱くなった方が使用する場合には、便座の高さやひじ掛けの有無も確認しましょう。
単にコンパクトな商品を選ぶのではなく、家族の身体状況や生活環境に合ったモデルを選ぶことが大切です。
使用済みの袋の保管方法も考えておく
熱圧着式ポータブルトイレは、排泄物を自動的に密封できるため、後片付けの負担を減らせます。
ただし、密封した袋そのものを処分する必要はあります。
災害時にはゴミの回収が停止する可能性もあるため、使用済みの袋を一時的に保管する場所を考えておきましょう。
保管する際は、直射日光や高温を避け、袋が破損しないように注意することが大切です。
また、密閉できる容器などを利用すると、ニオイ対策にも役立ちます。
災害時に慌てないためにも、トイレ本体だけでなく、使用済みの袋の保管場所まで決めておくと安心です。
まとめ|災害時のトイレ問題に備えて熱圧着式ポータブルトイレを準備しよう
大きな地震や台風などの災害では、断水や下水道の損傷によって、自宅の水洗トイレが使えなくなる可能性があります。
そんなとき、排泄物を専用フィルムで自動的に密封できる熱圧着式ポータブルトイレがあれば、後片付けの負担を減らせます。
今回紹介した5商品には、それぞれ次のような特徴があります。
- ラップポン・サニー:軽量で折りたたみ収納ができ、消耗品の費用も抑えやすい
- ラップポン・オーブ2:暖房便座と高さ調整機能を備え、在宅避難にも使いやすい
- 和み:バッテリーと消耗品が付属し、停電時の備えとして検討しやすい
- FX-30 らくゾウくん 自動ラップ2:暖房便座やひじ掛けを備え、高齢の家族にも配慮した設計
- ラップポン・トレッカー WT-4:高防臭フィルムを採用し、収納性にも優れている
災害用としてコンパクトに収納しておきたいなら、ラップポン・サニーが検討しやすいでしょう。
また、停電への備えを重視するならバッテリー付きの和み、使用済みの袋のニオイ対策を優先するならラップポン・トレッカー WT-4も候補になります。
一方、自宅での避難生活や介護との兼用を考える場合は、暖房便座やひじ掛けを備えたモデルも選択肢になります。
ただし、熱圧着式ポータブルトイレは、停電時に使用するための電源確保が欠かせません。
本体だけでなく、ポータブルバッテリーなどの予備電源と、家族の人数に合わせた専用フィルムや凝固剤も準備しておきましょう。
飲料水や非常食と同じように、災害時のトイレについても普段から備えておくことが大切です。
万が一のときに困らないよう、家族の人数や生活環境に合った熱圧着式ポータブルトイレを選んでおきましょう。












