2026年11月2日に発足する防災庁は、国民に対して災害への備えを求める「緊急要請」を出す方針です。
防災担当大臣は、食料や水、非常用トイレなどについて、最低3日分、できれば1週間分を各家庭で備蓄することの重要性を呼びかけています。
災害への備えというと、飲料水や非常食を優先しがちですが、忘れてはいけないのがトイレです。
大きな地震などで断水したり、下水道が損傷したりすると、自宅の水洗トイレが使えなくなることがあります。
特に1人暮らしの場合、災害時に必要なものをすべて自分で準備しなければなりません。
そんなときに備えておきたいのが、水を使わずに使用できる非常用トイレです。
最近では、10年以上の長期保存に対応した商品や、50回分以上をコンパクトに収納できる商品も販売されています。
この記事では、1人暮らしで7日間使える非常用トイレの必要量や失敗しない選び方、おすすめの商品5選をご紹介します。
1人暮らしなら非常用トイレは35回分以上を準備しよう
非常用トイレを購入する前に、まず確認しておきたいのが必要な回数です。
経済産業省では、災害用トイレの備蓄について、1人1日5回、1週間で35回分を目安としています。
つまり、1人暮らしの場合は次の数量が必要になります。
| 備蓄する日数 | 必要な回数 |
|---|---|
| 1日分 | 5回分 |
| 3日分 | 15回分 |
| 5日分 | 25回分 |
| 7日分 | 35回分 |
| 10日分 | 50回分 |
| 12日分 | 60回分 |
1人暮らしなら、35回分の非常用トイレを準備することで、7日間分の目安を満たすことができます。
ただし、トイレの回数には個人差があり、体調や生活環境によっては1日5回以上使用することもあります。
また、大規模な災害では、断水や下水道の復旧までに長い時間がかかる可能性もあります。
そのため、少し余裕を持って50回分程度の非常用トイレを備えておくのがおすすめです。
50回分なら1日5回の使用で約10日間、60回分なら約12日間使用できる計算になります。
最近ではコンパクトに収納できる商品も多いため、1人暮らしのワンルームやアパートでも比較的備蓄しやすいのが魅力です。
非常用トイレの失敗しない選び方
1.凝固剤だけでなく、排泄袋も付属しているか確認する
非常用トイレの多くは、排泄物に凝固剤を振りかけ、水分を固める仕組みです。
しかし、商品によってセット内容が異なります。
凝固剤と排泄袋がセットになった商品もあれば、凝固剤のみの商品もあります。
特に初めて非常用トイレを購入する方は、排泄袋や処理袋などが付属した商品を選ぶと便利です。
また、使い捨て手袋が付属していれば、使用後の処理も衛生的に行いやすくなります。
購入する際は、使用回数だけで判断せず、付属品もしっかり確認しましょう。
2.凝固剤の量や吸水性能を確認する
凝固剤は、商品によって1回分の内容量が異なります。
例えば、アイリスオーヤマの非常用トイレには、1回分の凝固剤が10gの商品と15gの商品があります。
同じ種類の凝固剤なら、量が多いほうが吸水量にも余裕が生まれやすいものの、実際の吸水性能は成分などによって異なります。
そのため、凝固剤の量だけでなく、メーカーが公表している吸水性能なども確認しておくと安心です。
3.防臭・抗菌性能を確認する
災害時に気になるのが、使用済みの非常用トイレの臭いです。
大きな災害が発生すると、ごみの収集が通常どおりに行われない可能性があります。
そのため、使用済みの非常用トイレを自宅で数日間保管しなければならない場合もあります。
特に夏場は臭いが気になりやすいため、抗菌・消臭成分を配合した凝固剤や、防臭袋が付属している商品がおすすめです。
なお、凝固剤の消臭機能と袋の防臭機能は異なります。
臭い対策を重視したい方は、使用後の袋をどのように保管できるかまで考えて選びましょう。
4.保存期間が長い商品を選ぶ
非常用トイレは、購入してから何年も使用しない可能性があります。
そのため、長期保存に対応した商品がおすすめです。
最近では、10年保存や15年保存に対応した非常用トイレも販売されています。
保存期間が長い商品なら、頻繁に買い替える手間を減らせるのもメリットです。
ただし、保存期間の起算日は商品によって異なるため、購入後はパッケージの表示を確認しておきましょう。
1人暮らしにおすすめの非常用トイレ5選
ここからは、1人暮らしで7日間以上の備蓄を考えている方におすすめの非常用トイレを5商品ご紹介します。
いずれも50回分以上を備えられますが、凝固剤の量や付属品、保存期間などが異なります。
それぞれの特徴を比較しながら、自宅に合った商品を選んでみてください。
1.トイレの女神 PREMIUM 50回分|日本製・15年保存で長期備蓄におすすめ
最初にご紹介するのは、トイレの女神PREMIUMの50回分セットです。
こちらは、日本製の非常用トイレで、抗菌・消臭性能に配慮されているのが特徴です。
凝固剤は劣化しにくいアルミパッケージで包装されており、15年の長期保存にも対応しています。
50回分のセットには、凝固剤50個、排便袋50枚、処理袋10枚、説明書、防災ガイドブックが付属しています。
凝固剤は1回分で約500mLの水分を吸収できる仕様になっており、災害時のトイレ処理に役立ちます。
また、防災ガイドブックが付属しているため、非常用トイレの備蓄をきっかけに、家庭の防災対策を見直したい方にもおすすめです。
1人暮らしなら約10日分の目安となる50回分を備えられるため、1週間以上の断水にも備えられます。
さらに、コンパクトな箱にまとまっているので、クローゼットや収納棚などにも保管しやすいでしょう。
日本製の商品を選びたい方や、長期保存できる非常用トイレを備えておきたい方におすすめです。
2.アイリスオーヤマ BTS10-50|50回分をコンパクトに備えたい方におすすめ
アイリスオーヤマのBTS10-50は、50回分の非常用トイレがセットになった商品です。
1回あたり10gの凝固剤を使用するタイプで、排泄物を固めることによって後処理をしやすくします。
セット内容は、凝固剤50個、排泄用などの袋55枚、防臭袋12枚です。
使用回数よりも多い55枚の袋が付属しているほか、防臭袋も用意されているため、使用後の袋をまとめて保管しやすいのが特徴です。
また、凝固剤には抗菌剤が配合されており、衛生面にも配慮されています。
さらに、メーカー工場出荷時点で15年の保管期限を確保しているため、長期備蓄にも向いています。
収納時のサイズは約幅26.5cm、奥行19.2cm、高さ7.5cmとなっており、比較的薄型なのも嬉しいポイントです。
1人暮らしの場合、大きな防災用品を保管する場所がないという方も多いのではないでしょうか。
その点、こちらは収納棚などの空きスペースに置きやすく、普段の生活でも邪魔になりにくいサイズです。
50回分をコンパクトに備えておきたい方や、防臭袋も付属した商品を探している方におすすめです。
3.アイリスオーヤマ BTS15-50|凝固剤の量を重視したい方におすすめ
アイリスオーヤマのBTS15-50は、先ほど紹介したBTS10-50と同じく50回分の非常用トイレです。
大きな違いは、1回分の凝固剤の量です。
BTS10-50が10gなのに対し、BTS15-50には15gの凝固剤が付属しています。
つまり、1回分の凝固剤の量が1.5倍になっています。
凝固剤の量に余裕を持たせたい方には、こちらがおすすめです。
セット内容は、凝固剤50個、排泄用などの袋55枚、防臭袋12枚となっており、BTS10-50と同じ数量の袋が用意されています。
また、こちらもメーカー工場出荷時点で15年の保管期限が確保されています。
収納サイズも約幅26.5cm、奥行19.2cm、高さ8cmと、10gタイプとほとんど変わりません。
凝固剤の量が増えても、収納スペースが大きく変わらないのは嬉しいところです。
ただし、凝固剤の量が1.5倍だからといって、すべての条件で吸水性能が1.5倍になるとは限りません。
BTS10-50とBTS15-50で迷った場合は、凝固剤の量を重視するかどうかで選ぶとよいでしょう。
4.trest(トレスト)非常用トイレ 50回分|手袋付きで衛生面を重視する方におすすめ
1人暮らしで使いやすい非常用トイレを探している方には、trest(トレスト)の50回分セットもおすすめです。
こちらは、日本製の凝固剤を採用した非常用トイレで、北欧風のパッケージデザインが特徴です。
50回分のセットには、抗菌性凝固剤7gが50袋、排便袋50枚、大型外袋10枚、使い捨て手袋などが付属しています。
凝固剤は約10年間の長期保存に対応しており、抗菌・消臭性能にも配慮されています。
特に嬉しいのが、手袋が付属していることです。
災害時は手洗いに使える水が限られる可能性があるため、使用後の処理を衛生的に行えるようにしておくことも大切です。
また、パッケージには北欧風のデザインが採用されているため、生活感の出やすい防災用品をすっきり収納したい方にも向いています。
さらに、パッケージのQRコードから使い方の説明動画を確認できるのも便利です。
災害時に初めて使い方を調べるのは大変なので、購入後に一度確認しておくと安心です。
手袋などの付属品を重視したい方や、収納時の見た目にもこだわりたい方におすすめです。
5.PYKES PEAK SONAERU トイレ用凝固剤 サポートセット 60回分|凝固剤を多めに備えたい方におすすめ
最後にご紹介するのは、PYKES PEAK(パイクスピーク)の防災シリーズ「SONAERU(ソナエル)」のトイレ用凝固剤サポートセット60回分です。
こちらは、60回分の凝固剤をまとめて備蓄できる商品です。
1人暮らしであれば、1日5回使用した場合、約12日分の凝固剤を確保できます。
凝固剤には抗菌・消臭性能を備えた高吸水性ポリマーが採用されており、1回分で約500mLの水分を吸収できる仕様です。
また、メーカーでは約15秒で水分を固められると案内しています。
さらに、アルミパッケージによる個包装で、製造から15年の長期保存に対応しているのも特徴です。
ただし、購入する際に注意したい点があります。
今回ご紹介するサポートセットは凝固剤のみの商品で、排泄袋や処理袋、使い捨て手袋は付属していません。
そのため、すでに排泄袋を備えている方や、凝固剤を追加購入したい方に向いています。
一方、これから初めて非常用トイレを準備する方は、別途排泄袋などを購入する必要があります。
同じSONAERUシリーズには、袋や手袋が付属するプレミアムサポートセットも販売されているため、必要なものに合わせて選びましょう。
60回分の凝固剤をまとめて備えておきたい方や、すでに持っている非常用トイレの備蓄量を増やしたい方におすすめです。
おすすめの非常用トイレ5選 比較表
今回ご紹介した5商品を一覧表にまとめました。
| 商品名 | 回数 | 保存期間 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| トイレの女神 PREMIUM | 50回 | 15年 | 日本製・防災ガイド付き |
| アイリスオーヤマ BTS10-50 | 50回 | 15年 | 凝固剤10g・防臭袋付き |
| アイリスオーヤマ BTS15-50 | 50回 | 15年 | 凝固剤15g・防臭袋付き |
| trest 非常用トイレ | 50回 | 約10年 | 日本製凝固剤・手袋付き |
| PYKES PEAK SONAERU サポートセット | 60回 | 15年 | 凝固剤のみ・追加備蓄向け |
※保存期間は各商品の公表値です。実際の使用期限は購入した商品の表示を確認してください。
今回の5商品は、いずれも1人暮らしで7日間分の目安となる35回分以上を備えられる商品です。
日本製にこだわりたい方にはトイレの女神PREMIUM、凝固剤の量を重視する方にはアイリスオーヤマのBTS15-50がおすすめです。
また、手袋などの付属品を重視する方にはtrestも候補になります。
すでに排泄袋を備えている方や、凝固剤を多めに確保したい方には、PYKES PEAKの60回分も便利でしょう。
初めて非常用トイレを購入する場合は、凝固剤だけでなく、使用後の処理に必要な袋までそろっているか確認しておくと安心です。
災害時に非常用トイレを使用する際の注意点
非常用トイレは、購入しておくだけでなく、使い方を知っておくことも大切です。
特に大きな地震が発生した場合、断水していなくても下水道の配管が損傷している可能性があります。
そのため、排水設備の安全が確認できるまでは、水洗トイレを無理に流さないようにしましょう。
今回ご紹介した非常用トイレの多くは、便器が安全に使用できる状態であれば、便座に袋を取り付けて利用できます。
ただし、便器自体が破損した場合には使用できないこともあるため、必要に応じて組み立て式の簡易便器を備えておくのもおすすめです。
また、使用済みの非常用トイレは袋の口をしっかり閉じ、衛生面に配慮して一時保管します。
処分する際は、自治体が案内する方法に従いましょう。
さらに、トイレットペーパーやウェットティッシュ、手指消毒用品なども一緒に備えておくと便利です。
1人暮らしだからこそ、災害時に慌てないよう、必要なものをまとめて準備しておきたいところです。
まとめ|1人暮らしなら最低35回分、できれば50回分以上を備えよう
防災担当大臣も呼びかけているように、災害への備えとして、食料や水だけでなく、非常用トイレの準備も欠かせません。
1人1日5回という目安で計算すると、1人暮らしで7日間に必要な非常用トイレは35回分です。
ただし、断水が長引く場合や、トイレの使用回数が増えることも考えると、50回分以上を備えておくと、さらに余裕が生まれます。
非常用トイレは、長期保存できる商品が多く、コンパクトに備蓄できるのも魅力です。
1人暮らしの場合、収納場所が限られることもありますが、50回分程度であれば比較的保管しやすい商品も販売されています。
災害が発生してからでは、必要な商品をすぐに購入できるとは限りません。
この機会に自宅の防災用品を確認し、もしものときに備えて非常用トイレも準備しておいてはいかがでしょうか。












