近年、台風や集中豪雨、線状降水帯などによる大雨が各地で発生しています。
道路や駐車場が冠水すると、車が浸水して故障するおそれがあるほか、住宅では玄関や勝手口などから水が入り、床下浸水や床上浸水につながることもあります。
こうした被害に備える方法のひとつが「止水板」です。
なかでもL字型の止水板は、必要な場所に置いて使用できるものが多く、土のうのように大量の土や砂を用意する必要がありません。
大雨が予想されるときに設置しやすく、使用後に片付けやすいのも特徴です。
本記事で商品を選定した筆者は、減災分野に関する記事が中国新聞に掲載された経験があります。
今回は価格だけでなく、「大雨が迫ったときに実際に設置しやすいか」「家庭で保管しやすいか」「玄関やガレージ、駐車スペースなどで使いやすいか」といった点も踏まえて、L字型の止水板を3商品選びました。
止水板は浸水を完全に防ぐものではありませんが、大雨に備えて平常時から準備しておきたい防災用品のひとつです。
L字型止水板おすすめ3選
今回紹介するのは、次の3商品です。
| 商品名 | 重量の目安 | 高さの目安 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| アイリスオーヤマ FCB-61L | 約4.4kg | 約61.5cm | 高さがあり、複数枚を連結できる |
| 我が家の防波堤 みずからまもる君 | 約1.5kg | 約39.5cm | 軽量で設置・収納しやすい |
| 積水テクノ成型 プラバリア SPBMPR2 | 約4kg/1枚 | 止水高さ50cm | 連結しながら角度を変えられる |
3商品とも特徴が異なります。
価格だけで選ぶのではなく、設置したい場所の幅や地面の状態、実際に設置する人が無理なく扱える重量なども確認して選びましょう。
アイリスオーヤマ FCB-61L
アイリスオーヤマの「FCB-61L」は、玄関やガレージなどにある程度高さのある止水板を設置したい人に注目したい商品です。
本体サイズは約幅70.5×奥行68×高さ61.5cm、重量は約4.4kg。
複数枚を連結して使用できるため、玄関だけでなく、幅のあるガレージやシャッター前などにも設置できます。
高さ約61.5cmでしっかり備えやすい
FCB-61Lの特徴のひとつが、約61.5cmという高さです。
今回紹介する3商品の中でも高さのあるタイプなので、ある程度高さを確保した止水板を準備しておきたい家庭に向いています。
大雨の際は、道路側から玄関やガレージへ水が流れ込むこともあります。
自宅周辺で水が集まりやすい場所がある場合には、あらかじめ設置場所を決めておくと、必要になったときに準備しやすくなります。
複数枚を連結して幅のある場所にも対応
止水板を選ぶうえで重要なのが、設置できる幅です。
玄関であれば1枚や数枚で対応できる場合がありますが、ガレージやシャッター前などでは、ある程度の幅が必要になります。
FCB-61Lは複数枚を横方向へ連結して使用できるため、自宅の間口に合わせて枚数を増やせるのが特徴です。
まずは設置したい場所の幅を測り、必要な枚数を確認してから購入するとよいでしょう。
約4.4kgで持ち運びもしやすい
本体重量は約4.4kgです。
大雨が予想されるときには、保管場所から玄関やガレージまで自分で運ばなければなりません。
止水性能だけでなく、実際に持ち運べる重量かどうかも大切です。
土のうを何袋も準備する場合と比べれば、設置時の負担を抑えやすいのもL字型止水板のメリットです。
設置する地面の状態は事前に確認
FCB-61Lは、コンクリートやタイルなど、比較的平らな場所への設置が基本となります。
地面に大きな凹凸があると、止水板と地面の間にすき間ができ、水が流れ込む可能性があります。
購入前には、実際に設置する玄関やガレージ前を確認しておきましょう。
高さのある止水板を選びたい人や、玄関からガレージまで幅広く使える商品を用意しておきたい人に向いています。
我が家の防波堤 みずからまもる君
止水板の重さが気になる人に注目してほしいのが、「我が家の防波堤 みずからまもる君」です。
サイズは約幅41.5×奥行41×高さ39.5cm。
重量は約1.5kgと、今回紹介する3商品の中でも特に軽量です。
大雨対策では、性能だけでなく、必要なときに自分で取り出して設置できることも重要になります。
約1.5kgの軽さで持ち運びやすい
みずからまもる君の大きな特徴は、約1.5kgという軽さです。
倉庫や物置などから取り出し、玄関や勝手口まで運びやすいため、重い防災用品を扱うことに不安がある家庭でも検討しやすい商品です。
防災用品は、購入しただけでは意味がありません。
いざというときに取り出せるか、運べるか、設置できるかまで考えて選ぶ必要があります。
その点で、約1.5kgという重量は大きなメリットです。
工具を使わず短時間で連結できる
みずからまもる君は、複数枚を差し込むように連結して使用します。
メーカーでは、4枚を使用した場合の幅は約1.3mで、約30秒で設置できると案内されています。
工具を使ってボルトを締めたり、複雑な組み立てをしたりする必要がないため、大雨が予想されるときにも準備しやすいのが特徴です。
ただし、災害が迫ってから初めて設置するのではなく、購入後に一度組み立てておくことをおすすめします。
重ねて収納できるので保管しやすい
防災用品を選ぶ際には、普段どこに置いておくかも重要です。
大型の止水板を何枚も保管するとなると、物置やガレージのスペースを圧迫する可能性があります。
みずからまもる君は、使用しないときには重ねて保管できます。
複数枚を用意した場合でも、収納スペースを抑えやすいのがメリットです。
赤色のベースと黄色の連結用に注意
購入するときに注意したいのが、赤色のベースと黄色の連結用の違いです。
黄色の連結用だけでは使用できず、赤色のベースが最低1枚必要になります。
通販サイトなどでは、ベースと連結用が別商品として販売されている場合があります。
必要な幅だけを見て枚数を決めるのではなく、ベースが含まれているかも必ず確認しましょう。
対象となる水位は30cmまでとなっているため、使用条件についても事前に確認しておくことが大切です。
軽さと設置のしやすさを重視する人や、玄関や勝手口を中心に対策したい人に向いています。
積水テクノ成型 プラバリア SPBMPR2
玄関だけでなく、ガレージや駐車スペースなど、広い場所への設置も考えたい場合に注目したいのが、積水テクノ成型の「プラバリア」です。
今回紹介する「SPBMPR2」は、メインパネルが2枚入った商品です。
メインパネルは1枚約4kgで、メーカーが案内している止水高さは50cmです。
角度を変えて広い範囲に設置できる
プラバリアの大きな特徴は、複数のパネルをただ一直線に並べるだけでなく、角度を変えながら設置できることです。
専用の連結パーツを使用することで、建物や敷地の形状に合わせた配置がしやすくなっています。
玄関前だけをふさぐのではなく、ガレージや駐車スペースなど、広い範囲の浸水対策を考えている場合にも使いやすいタイプです。
ガレージや駐車スペースにも使いやすい
大雨では住宅だけでなく、駐車場に水が流れ込み、車が浸水することもあります。
車は浸水によってエンジンや電気系統などに不具合が起きる可能性があるため、駐車スペース周辺の浸水対策も考えておきたいところです。
プラバリアは複数枚を連結できるため、玄関よりも幅のある場所にも設置しやすくなっています。
直線だけでなく角度をつけられるので、建物やガレージの形に合わせて配置できるのも特徴です。
複数枚でも重ねて保管できる
広い範囲へ止水板を設置する場合、必要な枚数が多くなることがあります。
その場合に気になるのが保管場所です。
プラバリアのメインパネルは重ねて収納できるため、複数枚を用意しても保管スペースを抑えやすくなっています。
防災用品は普段使わない期間の方が長いため、収納しやすさも商品選びの重要なポイントです。
SPBMPR2だけでは使用できないので注意
プラバリアを購入するときに特に注意したいのが、必要なパーツです。
「SPBMPR2」に入っているのはメインパネル2枚です。
SPBMPR2だけを購入しても、そのまま完成した状態で使用することはできません。
実際に設置するには、別売りの連結パーツやエンドパーツが必要になります。
そのため、SPBMPR2本体の価格だけで判断するのではなく、
必要なメインパネルの枚数
連結パーツ
エンドパーツ
まで含めた総額を確認しておくことが大切です。
今回紹介する3商品の中では必要な部品が多くなりますが、ガレージや駐車スペースなど、広い範囲や直線以外の形で止水板を設置したい場合には注目したい商品です。
L字型止水板を選ぶときのポイント
L字型止水板を購入するときは、商品価格や高さだけを見るのではなく、実際に自宅で使用できるかを確認することが大切です。
まず確認したいのが、どこに設置するのかです。
玄関、勝手口、ガレージ、シャッター前など、自宅周辺を確認し、「大雨になったときに水がどこから流れ込む可能性があるのか」を考えてみましょう。
設置場所が決まったら、その場所の幅を測ります。
止水板1枚だけで必要な幅をカバーできるとは限りません。
複数枚を連結する場合は、必要な枚数やパーツも購入前に確認しておきましょう。
次に確認したいのが地面の状態です。
止水板と地面の間に大きなすき間ができると、そこから水が流れ込む可能性があります。
コンクリートやタイルなど比較的平らな場所なのか、大きな凹凸や段差がないかも確認しておきましょう。
さらに重要なのが重量です。
止水板は、大雨が予想されるときに保管場所から自分で運び出して設置する必要があります。
今回紹介した商品の中では、みずからまもる君が約1.5kgと特に軽量です。
FCB-61Lやプラバリアは1枚あたり約4kgあります。
設置するのが誰なのかまで考え、無理なく扱える商品を選ぶことが大切です。
購入後は、箱に入れたまま保管するのではなく、一度実際に設置してみましょう。
設置する場所や向き、必要な枚数、連結方法、保管場所まで平常時に確認しておけば、大雨が予想されるときにも準備しやすくなります。
車への浸水が心配な場合は、止水板だけに頼らないことも重要です。
安全に移動できる段階で、浸水のおそれが低い場所へ車を移動させることも対策のひとつになります。
一方で、すでに道路が冠水している場合には、車を移動させたり止水板を設置したりするために無理をせず、人の安全を最優先にしてください。
まとめ
近年も大雨によって道路や駐車場が冠水し、車の浸水による故障や、住宅の床下浸水・床上浸水などの被害が発生しています。
こうした水害への備えのひとつが、必要な場所に設置できるL字型止水板です。
今回紹介したのは、
アイリスオーヤマ「FCB-61L」
「我が家の防波堤 みずからまもる君」
積水テクノ成型「プラバリア SPBMPR2」
の3商品です。
ある程度高さのある止水板を玄関やガレージなどで使いたいなら「FCB-61L」。
できるだけ軽く、短時間で設置しやすいものを選びたいなら「我が家の防波堤 みずからまもる君」。
ガレージや駐車スペースなど、より広い範囲や角度のある場所まで対策したいなら「プラバリア SPBMPR2」が候補になります。
ただし、止水板は設置すれば必ず浸水を防げるというものではありません。
設置場所の地面の状態や水位、水の流れなどによって効果は変わります。
大雨が降り始めてから慌てることがないよう、平常時に玄関やガレージ、駐車スペースなどを確認し、自宅に合った止水板を準備しておきましょう。
そして、すでに危険が迫っている場合には、止水板の設置よりも人の安全確保や避難を優先してください。

