2026年11月2日に発足した防災庁は、災害への備えを徹底するよう求める「緊急要請」を出しました。
防災庁は、水や食料、非常用トイレなどの備蓄をはじめ、災害が発生する前から十分な対策を進めるよう呼びかけています。
特に事務所では、従業員の安全を守るために、災害発生後も一定期間その場で待機できる備えが欠かせません。
大きな地震などで公共交通機関が運休した場合、従業員がすぐに帰宅できるとは限らないからです。
内閣府の帰宅困難者対策に関するガイドラインでも、従業員が事業所内で待機できるよう、3日分の水や食料などを備蓄することが基本とされています。
なかでも優先して準備したいのが、飲料水や調理用の水です。
50人規模の事務所では、従業員50人が3日間過ごすために、450Lの備蓄水が必要になります。
今回は、50人規模の事務所に必要な備蓄水の量や選び方を解説するとともに、5年・10年・15年と長期間保存できるおすすめの備蓄水5商品をご紹介します。
購入する際に迷わないよう、それぞれ何ケース準備すればよいのかも具体的に解説します。
50人規模の事務所に必要な備蓄水の量と選び方
災害時に必要な飲料水や調理用の水は、1人1日3Lが目安とされています。
従業員50人が事務所で3日間待機する場合、必要な水の量は次のようになります。
| 備蓄日数 | 50人分の必要量 | 2Lボトル換算 |
|---|---|---|
| 1日分 | 150L | 75本 |
| 2日分 | 300L | 150本 |
| 3日分 | 450L | 225本 |
50人×1日3L×3日間=450L
2Lペットボトル6本入りなら、1ケース12Lなので、38ケース用意すれば合計456Lになります。
これで従業員50人が3日間に必要な飲料水や調理用の水を確保できます。
ただし、450Lは従業員50人分の目安です。
事務所によっては、来客や取引先の担当者などが災害によって帰宅できなくなる可能性もあります。
帰宅困難者対策のガイドラインでは、外部の帰宅困難者への対応として、例えば10%程度の量を余分に備蓄することも検討するよう示されています。
450Lに10%を加えると495Lです。
2Lペットボトル6本入りなら、42ケースで504Lとなります。
来客が多い事務所では、500L程度を一つの目安として、余裕を持って準備しておくとよいでしょう。
なお、これらは飲料水や調理用の水の目安です。手洗いやトイレなどに使用する生活用水については、別に確保することも検討しましょう。
保管場所と賞味期限を管理する
事務所で保管する備蓄水は、普段使用せず、災害時まで長期間保管することが多いでしょう。
一般的なミネラルウォーターでも備蓄できますが、定期的に賞味期限を確認して入れ替える必要があります。
一方、災害用の長期保存水には、5年・10年・15年保存できる商品があります。
50人規模の事務所では450L以上の水を準備するため、買い替えの際には相応の手間がかかります。
そのため、備蓄品の管理にかかる負担を減らしたい場合は、10年や15年保存タイプがおすすめです。
一方、定期的に備蓄品を入れ替える体制が整っている事務所なら、5年保存タイプも十分に候補になります。
大容量タイプと小容量タイプを使い分ける
備蓄水には、2L前後の大容量タイプと、400mlや500ml前後の小容量タイプがあります。
大容量タイプは、まとめて保管しやすく、飲み水や非常食の調理用として使いやすいのがメリットです。
一方、小容量タイプなら従業員に1本ずつ配布しやすく、各自の机や待機場所でも使用できます。
例えば、2L×6本入りを20ケース、500ml×24本入りを18ケース用意すれば、合計456Lになります。
大容量タイプは共用の飲料水として、小容量タイプは従業員への配布用として使い分ける方法もおすすめです。
50人の従業員に個別配布する場合、あらかじめ配布方法を決めておくと、災害時にも混乱を抑えやすくなります。
また、断水時はコップなどを洗うことが難しくなる場合もあるため、直接飲める小容量タイプを用意しておくと便利です。
大容量タイプと小容量タイプを使い分ける
50人規模の事務所で3日分の水を準備すると、水だけでも450kg以上の重量になります。
そのため、高い棚にまとめて積み上げるのではなく、床に近い安定した場所に保管しましょう。
また、地震によって棚や家具が倒れたり、停電でエレベーターが停止したりする可能性もあります。
非常口や避難通路を塞がない場所を選び、できれば複数の場所に分けて備蓄しておくと安心です。
特に50人規模の事務所では、備蓄水の重量が大きくなるため、床や収納家具の耐荷重にも配慮しましょう。
複数階に分かれている事務所では、エレベーターが使用できなくなる場合も考えて、各階に分散して備蓄する方法もあります。
また、備蓄水の保管場所を従業員全員に周知しておくことも大切です。
450L以上の水を保管する場合は、必要なスペースや搬入経路についても事前に確認しておきましょう。
直射日光や高温になる場所を避け、商品に記載された保管方法を守ることも大切です。
さらに、購入日や賞味期限を記録し、年に1回程度、防災用品の点検と合わせて確認すると管理しやすくなります。
50人規模の事務所におすすめの長期備蓄水5選
カムイワッカ麗水|15年保存で管理の負担を軽減!2Lは2ケースセットを19セット(合計38ケース)、または500mlを38ケース
カムイワッカ麗水は、北海道の羊蹄山麓に湧き出る天然水を使用した長期保存水です。
最大の特徴は、製造日から15年間という非常に長い保存期間です。
硬度19mg/Lの軟水で、飲料水としてだけでなく、非常食の調理などにも使いやすい水となっています。
50人規模の事務所では、まとまった量の水を備蓄する必要があります。
そのため、買い替えの回数を減らせる点は大きなメリットです。
カムイワッカ麗水には、2Lタイプと500mlタイプがあります。
50人規模の事務所で3日分を確保するなら、次の数量が目安です。
- 2L×6本入りを38ケース=456L
- 500ml×24本入りを38ケース=456L
どちらも38ケース分用意すれば、必要な450Lを確保できます。
今回紹介する2Lタイプは、6本入りが2ケースセットになった商品です。
そのため、2ケースセットを19セット購入すれば、合計38ケース・456Lを確保できます。
また、2Lタイプを20ケース、500mlタイプを18ケース組み合わせても合計456Lになります。
この組み合わせなら、2Lの2ケースセットを10セット、500mlの24本入りを18ケース用意する形です。
大容量タイプは共用の飲料水や調理用として、500mlタイプは従業員への配布用として使い分けるのもおすすめです。
15年間という長い保存期間を重視する方や、備蓄水の交換回数をできるだけ減らしたい事務所に向いています。
マリンゴールド|10年保存の飲みやすい超軟水!2Lを38ケース
マリンゴールドは、高知県室戸沖の海洋深層水を使用した10年保存水です。
海洋深層水を原料としていますが、硬度15mg/Lの超軟水に仕上げられています。
飲料水としてはもちろん、非常食を戻したり、料理に使ったりすることもできます。
10年間という長い保存期間と、飲みやすい超軟水であることが魅力です。
今回紹介するのは、2Lペットボトルが6本入ったタイプです。
50人規模の事務所で3日分を確保するなら、次の数量が目安になります。
- 2L×6本入りを38ケース=456L
1ケース12Lなので、38ケース用意すれば合計456Lとなり、従業員50人が3日間に必要な450Lを確保できます。
2Lタイプは、事務所の収納スペースに箱のまままとめて保管しやすいのがメリットです。
また、10年間保存できるため、頻繁に買い替える必要もありません。
事務所にウォーターサーバーが設置されている場合でも、停電や断水によって使用できなくなる可能性があります。
そのため、電気を使わずに開封できるペットボトルの備蓄水を別に準備しておくと安心です。
ただし、38ケースでは必要な450Lに対して6Lの余裕しかないため、来客分も考慮する場合は追加の備蓄を検討しましょう。
長期間保存できる超軟水を探している事務所におすすめです。
アコール|10年保存の純水!1.8Lは2ケースセットを21セット、またはラベルレス400mlを47ケース
アコールの10年保存水は、高知県室戸沖の海洋深層水を原料にした災害用備蓄水です。
逆浸透膜を利用したろ過によって、ミネラル成分を取り除いた硬度0の純水となっています。
飲料水や調理用など、幅広い用途で使用しやすいのが特徴です。
アコールには、通常の1.8Lタイプと、400mlのラベルレスタイプがあります。
400mlのラベルレスタイプは、従業員への配布に便利で、使用後のゴミの分別も簡単です。
50人規模の事務所で3日分を確保するなら、次の数量が目安になります。
- 1.8L×6本入りを42ケース=453.6L
- ラベルレス400ml×24本入りを47ケース=451.2L
どちらも必要な450L以上を確保できます。
今回紹介する1.8Lタイプは、6本入りが2ケースセットになった商品です。
そのため、掲載商品だけで揃える場合は、2ケースセットを21セット購入し、合計42ケース・453.6Lを確保することになります。
41ケースでは442.8Lとなり、必要な450Lに届かないため、42ケースが目安です。
一方、400mlのラベルレスタイプだけで揃える場合は、24本入りを47ケース用意すれば合計451.2Lになります。
46ケースでは441.6Lとなり、必要な450Lに届かないため、47ケースが必要です。
また、1.8Lタイプを24ケース、400mlのラベルレスタイプを20ケース組み合わせれば、合計451.2Lになります。
この組み合わせなら、掲載している1.8Lの2ケースセットを12セット、400mlタイプを20ケース用意する形です。
大容量タイプを共用の備蓄水として使用しながら、小容量タイプを従業員への配布用として備えられます。
50人規模の事務所では従業員への配布数も多くなるため、あらかじめ小容量タイプを準備しておくと便利です。
10年保存できる純水を探している方や、大容量と小容量の両方を用意したい事務所におすすめです。
アイリスの保存水|5年保存で備蓄を始めやすい!2Lを38ケース、または500mlを38ケース
アイリスの保存水は、アイリスオーヤマのグループ会社であるアイリスフーズが展開する災害用の長期保存水です。
2Lタイプは国内製造のナチュラルミネラルウォーターで、硬度は約52mg/Lの軟水です。
5年保存に対応しており、初めて事務所の備蓄水を準備する際にも選びやすい商品です。
10年や15年保存の商品と比較すると保存期間は短くなりますが、定期的に入れ替える予定なら十分に候補になります。
アイリスの保存水には、2Lタイプと500mlタイプがあります。
50人規模の事務所で3日分を確保するなら、次の数量が目安です。
- 2L×6本入りを38ケース=456L
- 500ml×24本入りを38ケース=456L
どちらも38ケース用意すれば、従業員50人が3日間に必要な450Lを確保できます。
また、2Lタイプを20ケース、500mlタイプを18ケース組み合わせても合計456Lになります。
大容量タイプは共用の備蓄水として、500mlタイプは従業員に個別配布する水として使い分けるのもよいでしょう。
500mlタイプだけで揃えた場合、38ケースで合計912本となります。
従業員50人に18本ずつ配布すれば、1人あたり9Lとなり、3日分の水を確保できる計算です。
この場合、12本余るため、予備として保管しておくこともできます。
もちろん、実際には従業員の状況や必要量に応じて配布することが大切です。
また、普段から事務所でミネラルウォーターを使用している場合は、賞味期限が近づいた備蓄水を通常業務で使用し、新しい保存水を補充する方法もあります。
定期的な入れ替えを前提に、防災備蓄を始めたい事務所におすすめです。
The Life Water|10年保存で従業員に配布しやすい!490mlを39ケース
The Life Waterは、10年間の長期保存に対応した災害用備蓄飲料水です。
一般的なペットボトルではなく、遮光性や気体を通しにくい性質に優れたアルミボトル缶を採用しているのが特徴です。
兵庫県福崎町の水を使用しており、ろ過処理を行った軟水となっています。
1本490mlの小容量タイプなので、従業員に1本ずつ配布しやすいのがメリットです。
今回紹介するのは、490mlのアルミボトル缶が24本入ったタイプです。
50人規模の事務所で3日分を確保するなら、次の数量が目安になります。
- 490ml×24本入りを39ケース=458.64L
1ケースで11.76Lなので、39ケース用意すれば合計458.64Lとなり、従業員50人が3日間に必要な450Lを確保できます。
38ケースでは446.88Lとなり、必要な450Lに届かないため、39ケースを目安に準備しましょう。
39ケースで合計936本になります。
ただし、1本490mlのため、従業員1人に18本ずつ配布した場合は8.82Lとなり、3日分の9Lにはわずかに届きません。
そのため、従業員全員に19本ずつ配布できるようにするなら、**40ケース(960本・470.4L)**を用意する方法もおすすめです。
40ケースなら、50人に19本ずつ配布しても10本余ります。
また、490mlという小容量タイプなら、従業員がそれぞれ持ち歩いたり、机の近くに置いておいたりする際にも便利です。
キャップ付きのアルミボトル缶なので、移動中に一時的に蓋を閉めることもできます。
ただし、開封後は長期保存できないため、できるだけ早く飲み切りましょう。
従業員への配布のしやすさを重視する事務所や、長期保存できる小容量タイプを選びたい方におすすめです。
おすすめ5商品の比較表
50人規模の事務所で3日分の備蓄水を確保する場合、商品によって必要なケース数が異なります。
保存期間と購入数量を比較して、事務所に合った商品を選びましょう。
| 商品名 | 保存期間 | 3日分の必要ケース数 | 合計容量 |
|---|---|---|---|
| カムイワッカ麗水 | 15年 | 2Lは2ケースセットを19セット、または500mlを38ケース | 456L |
| マリンゴールド | 10年 | 2Lを38ケース | 456L |
| アコール | 10年 | 1.8Lは2ケースセットを21セット、またはラベルレス400mlを47ケース | 453.6L/451.2L |
| アイリスの保存水 | 5年 | 2Lを38ケース、または500mlを38ケース | 456L |
| The Life Water | 10年 | 490mlを39ケース | 458.64L |
※従業員50人、1人1日3L、3日間で450Lを基準に計算しています。
※2Lと1.8Lは6本入り、500ml・400ml・490mlは24本入りを1ケースとして計算しています。
※カムイワッカ麗水の2Lタイプは、掲載している2ケースセットを19セット購入すれば、38ケース・456Lとなります。
※アコールの1.8Lタイプは、掲載している2ケースセットを21セット購入すれば、42ケース・453.6Lとなります。
※アコールは通常タイプとラベルレスを合わせて1商品として紹介しています。
※The Life Waterは39ケースで必要な450Lを確保できますが、50人全員に19本ずつ配布する場合は40ケースが必要です。
今回ご紹介した5商品は、いずれも50人規模の事務所で3日分の備蓄水を確保できるものです。
管理の負担を減らしたいならカムイワッカ麗水、10年保存の超軟水ならマリンゴールド、純水やラベルレスを選びたいならアコールがおすすめです。
また、定期的な入れ替えを前提とするならアイリスの保存水、従業員への配布のしやすさを重視するならThe Life Waterもよいでしょう。
まとめ|50人規模の事務所では3日分の450Lを目安に備蓄しよう
災害時に公共交通機関が停止した場合、従業員がすぐに帰宅できるとは限りません。
そのため、事務所内で安全に待機できるよう、日頃から飲料水や食料などを備蓄しておくことが大切です。
50人規模の事務所では、1人1日3L、3日間で合計450Lの備蓄水が目安になります。
2Lペットボトル6本入りなら、38ケースで456Lを確保できます。
また、大容量タイプと小容量タイプを組み合わせることで、共用の飲料水と従業員への配布用を分けて準備することもできます。
来客や取引先の担当者が多い事務所では、従業員50人分の450Lに加え、余裕を持った数量も検討しておきましょう。
例えば、10%程度の余裕を持たせるなら、合計495L以上が目安になります。
2Lペットボトル6本入りなら、42ケースで504Lを確保できます。
そして、水と合わせて準備しておきたいのが、非常食や非常用トイレ、毛布、衛生用品などです。
非常食についても、1人1日3食、3日間で9食が目安とされています。
従業員50人なら、合計450食の非常食を用意しておくとよいでしょう。
また、毛布や保温シート、携帯電話の充電手段なども準備しておくと、災害時に事務所内で待機しやすくなります。
50人規模の事務所では備蓄品の総量も多くなるため、管理担当者を決め、保管場所や賞味期限を一覧にしておくのもおすすめです。
さらに、大量の備蓄水を一度に購入する際は、納品時の搬入経路や保管スペース、配送の受け入れ体制なども確認しておきましょう。
もちろん、備蓄品を購入するだけでなく、保管場所や配布方法、緊急時の連絡手段などを従業員全員で確認しておくことも大切です。
今回ご紹介した長期保存水を活用し、万が一の災害にも対応できる事務所づくりを進めてみてはいかがでしょうか。










